割線剛性について

ざっくり割線剛性とは

2017年基準から形状指標SD算出方法が変わり、割線剛性による剛性を使用するようになりました。(B法は弾性剛性も可)

ざっくり説明すると従来の弾性剛性による偏心率は、1次設計で使用される「静的偏心」と呼ばれるものです。(降伏耐力・部材は塑性化しない)
しかし耐震診断とはそもそも、極めてまれに発生する大地震に対して倒壊しないことを確かめることが目的なので、柱・壁の終局強度にもとづいて算出した方が合理的だろうということで、割線剛性による「動的偏心」を使おうということになりました。

ちなみに「割線」は構造の専門用語ではなく数学的な用語で、曲線の2点と交わる直線のことです。

割線剛性の中身

各部材の割線剛性は、割線剛性K = αQ / R の式で表されます。
(R:層間変形角、 α:Rに対応する強度寄与係数、 Q:終局強度)

これを表すグラフが2017年診断基準のp.192にあります。

グラフの折れ線(実線)は部材の耐力を表しており、点線の傾きが割線剛性を表しています。
上段は1/250変形(F=1.0)でのαQに点を打ち、原点0と結んで剛性を求めています。
下段は1/500変形(F=0.8)の点と原点により剛性を求めています。

実務で注意するポイント

層のF=0.8を採用する場合

割線剛性は基本F=1/250のものを使用します。
ただし第2種構造要素となる極脆性柱が存在する場合に層のF=0.8を採用することになりますが、その場合は偏心率も1/500のものを使用します。(該当階のみ)
逆に言うと、すべての層でF=1.0となる場合は、1/500の偏心率のデータは特に必要ありません。

SS3(SS7)の偏心率とは一致しない

先に説明した通り、1次設計による偏心率は弾性剛性であるため、SS3(SS7)で求めた数値とは異なります。重心・剛心図も一致しないため、SS3の図をそのまま使用することはできません。

壁厚とは直接的に影響されない

補強設計において、偏心率を改善するために壁厚を厚くするという方法は有効でしたが、割線剛性の場合は壁厚は直接的には偏心率に影響しません
せん断壁であれば壁厚を増やすことで終局強度が上がり、結果的に剛性も上がることになります。
曲げ壁であった場合は、鉄筋を増やし曲げ終局強度を上げることの方が効果的です。

部材耐力の直接入力の影響を受ける

RC診断側で直接入力した部材耐力も、割線剛性に影響してきます。
特に補強設計時には部材耐力を直接入力するケースが多いと思います。
「部材断面を変えてないのに偏心率が動いている」といった場合は、これが原因だったりするので確認しましょう。

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